2025年3月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。健康部門の第5位は――。
▼第1位 70歳のセックスがこんなに楽しいなんて…「膀胱、子宮、直腸が腟から飛び出る」更年期障害の女性がやったこと
▼第2位 認知症リスクがどんどん下がる…82歳の脳科学者も実践している「高齢者はやらなきゃ損」な日課
▼第3位 1日3食も、早寝早起きも、朝の洗濯もやらなくていい…医師・和田秀樹「60代から本当に必要な習慣」
▼第4位 「口癖」を聞けば一発でわかる…「ヨボヨボ老人になる人」と「死ぬまでピンピンしている人」の決定的な差
▼第5位 この器官が衰えるとヨボヨボ化が一気に進む…視力でも味覚でもない「認知症の発症を遅らせる」ための必須条件
リハビリ医の「本当の使命」とは
リハビリ医として名高い酒向正春先生。ねりま健育会病院の院長と介護老人保健施設ライフサポねりの管理者をやっている。
酒向先生はこう言った。
「人生100年時代です。ただし、100年まで生きても、そのうち寝たきりが30年では意味がない。健康でしかも仕事をして生きていくのが理想です。
リハビリ医といえば、認知症や脳卒中など頭や体が自由にならなくなった人を治す医師と思われています。しかし、本当の使命は頭や体が壊れないように認知症や脳卒中のリスクを可能な限り抑えること。認知症にならないような生活習慣、考え方をみなさんに伝えることなんです」
この連載では先生が言ったように、認知症リスクを抑える生活の仕方を描いている。
第1回は健康な一日の過ごし方と入浴によるストレスの軽減についてだった。2回目は食生活と認知症の関係についてだ。
コミュニケーションが認知症リスクを抑える
そして、今回はコミュニケーションの大切さについて、先生の話を聞いた。
「認知症にならないようにするためには『楽しい』『気持ちいい』という日々を過ごすことです。そのためには周囲の人たちとコミュニケーションをとり、ワクワクすることが重要。
定年退職すると、毎日、自宅にいて孤立する人がいます。それは危険です。何か仕事をすることでもいいし、地域の集まりに出かけるのもいい。定期的に人と会うことです」
コミュニケーションの基礎となるのが聴力だ。人の話が聞こえなくなると、会うのが億劫になる。ひいては孤立してしまう。聴力の低下に気づいたら、すぐに処置をすることが必要だ。
「認知症になりやすい人、どういった環境で過ごしているかといったことはすでにわかっています。そこで重要になってくるのが聴力です。
年をとると難聴になる人が出てきますが、難聴の人は認知症になりやすい。難聴になると入ってくる情報量が圧倒的に少なくなるので、そこが問題なんです。難聴はそのままにしておいてはいけません。機能のいい集音器、補聴器がありますから、ためらわずに使うことです」