年齢も性別も異なる会社の人たちとのコミュニケーションはどうすればいいのか。文具やオフィス家具を手掛けるコクヨで働く川田直樹さんは「昔は多様な宴会を企画し交流を図っていたが、それでは不十分だった。ある社内サークルを立ち上げたところ、社内コミュニティに変化が起きた」という――。

※本稿は、川田直樹『シン・サウナ』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

年齢も性別も違う部下とのコミュニケーション

コクヨに入社して9年目、私は29歳でマネージャーになりました。

ありがたいことに、当時の社内では最年少のスピードだったと思います。私はチャンスをいただけたことに、とても感謝していました。

部下を持ったことがある方ならわかるかもしれませんが、人生初めての部下はとにかく可愛かった! 部下がトラブルを起こしてしまったとしても、私自身の経験を活かしてなんとか解決しようと奔走しました。そんな、チームで目標に向かって戦略を立てチャレンジする毎日でした。

こうして大きなやりがいを感じていたのですが、同時に壁にもぶつかっていました。それは、年齢も性別も異なる部下とのコミュニケーションです。私のチームは50歳くらいのベテラン社員から、21歳の若手社員まで、年齢もキャリアもバラバラ。そんな多様なメンバーをまとめあげ、一丸となってプロジェクトを進めていく必要がありました。

年100回以上の「飲みニケーション」

マネージャーになるまで私はとにかくストイックに仕事をしてきました。同じやり方をそのまま教えるだけではダメだとわかっていながらも、私はずっと戸惑っていました。

「一体、どうしたらいいんだろう……」

そこでまず私が考えた解決策は飲み会、いわゆる「飲みニケーション」でした。同じ部署のベテランや若手だけでなく、営業や設計といった他部署のメンバーもどんどん巻きこみ、宴会を企画する。

ビールで乾杯するグループ
写真=iStock.com/kuppa_rock
※写真はイメージです

歓送迎会やプロジェクト打ち上げ、さらには誕生日会や慰労会まで。宴会を通して、人と人がつながっていく様子に感動し、そしてただの飲み会ではなくちょっとしたサプライズ企画を通して、その効果が最大化される幹事の面白さにやりがいを感じていました。

気がついたら、私のあだ名は「永久宴会部長」。年間なんと100回以上もの飲み会の幹事をしていたのです。