唯一無二のアートはどのように生まれるのか。国を超えて求められ続ける“鬼才”の正体――。
猪子寿之氏
猪子寿之 Toshiyuki Inoko
1977年、徳島県生まれ。2001年、東京大学工学部計数工学科卒業と同時に、同級生たち4名でチームラボを創業。集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、デザイン、そして自然界の交差点を模索。

「客の視点は考えない」鬼才が見ている世界

インバウンドで賑わう東京・豊洲地区。観光客のお目当ては、築地から移転した豊洲市場だけではない。新交通ゆりかもめでいえば「市場前」駅の一駅隣になる「新豊洲」駅で降りる客も多い。目指す先は、倉庫のような外観をした白い建物――2018年にオープンした「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」だ。

チームラボプラネッツの23年4月1日~24年3月31日の来館者数は250万4264人。これは単一アート・グループとしては世界一で、ギネス世界記録に認定されている。

注目度の高さはネット検索からもうかがえる。Googleは毎年さまざまなジャンルの検索ランキングを発表している。23年、「Googleマップ上で検索されたミュージアム」部門は、1位ルーブル美術館、2位大英博物館、3位オルセー美術館、4位ロンドン自然史博物館が上位に。これら世界的ミュージアムに次いで世界5位にランクインしたのが、チームラボプラネッツだった。