同4位の、過去の失敗をいつまでもひきずってクヨクヨし、リスクを一切避けて通る保守的な上司。また、同5位の異様なほど部下の重箱の隅をつつく上司。これらもやはり「“自分”がなく決められない弱虫タイプ」(矢幡氏)だ。
かつての主流、パワハラ系が勢力を弱めたことは歓迎すべきだが、台頭してきた弱虫系も鬱陶しい存在に変わりない。「上司の人材としてはむしろ劣化が進み、器が小さくなったと思います」(矢幡氏)。
一方、「はた迷惑な部下」はどうか。実はこちらも負のオーラに包まれ、心身とも弱体化している。
「マゾ体質で、自分で決めず前に進めない人が多いですね」(矢幡氏)。
例えば、言われたことだけして何にも挑戦しない無気力系(1位)を筆頭に、1から10まで他人に頼る確信犯的な半人前(2位)、上司に表立って反抗はしないが、よく拗ねて仕事をサボるつむじ曲がり(3位)など、暢気なのかネクラかわからないが、取り扱いに注意を要するタイプがずらりと並ぶ。
「彼らに共通するのは、自己評価の低さです。どうせできないという負け犬根性がある。だから自らひたむきに汗流す労働に価値を見出せない」(矢幡氏)
最後に上司・部下以外にも、属性別の回答(図3)を見てみよう。
「興味深いのは、女性社員が最も嫌うのが、おしゃべり好き上司ということ。同僚同士なら雑談仲間として受け入れられる存在でも、相手が上司となると拒否したい。何でも話すことが部下との関係をよくすると考える上司は多いですが、女性部下には迷惑。人間的な親密さよりドライな間柄を選ぶということなのでしょう」(矢幡氏)
人事制度を構築するフォー・ノーツ代表で、複数の企業で人事業務をしてきた西尾太氏はこう語る。
「実際このランキングに登場する人物像について困っているという相談を山ほど受けます。大事なのは、こうした鼻つまみ者を反面教師にして自己を見直すことです」
人のフリ見て我がフリ直すことがリスクマネジメントなのだ。
【調査概要】楽天リサーチの協力を得てインターネットを通じて働く人1000人より回答を得た。調査期間は2012年3月28~29日。