「あなたの仕事が役立っている」と言葉にする
そして、きちんと役割を果たしたことで、助かっていることを伝えることも欠かせません。
「○○さんがきちんと計算してくれたおかげで、無事に納品できたよ」
当たり前のことだと思うかもしれませんが、納期や決まり事を守って達成したことで最終的な商品やサービスにつながっていること、自分の働きがそこに役立っていることを、しっかりイメージできるように伝えるのです。
成果や実績だけでなく、プロセスを積み上げることはとても大事ですし、関わりのある人の名前を挙げて、「◯◯さんが助かってると言ってたよ」と伝えることでもいいでしょう。
会議や打ち合わせの際にきちんと発言ができたなら、「君の発言したあの一言がヒントになったよ」とか「重苦しい緊張が和らいだよ」ということでもよいのです。「あなたのしたことには意味があった」と伝え、理解してもらうことが重要です。
誰でもそうした声がけをされたら嬉しいものですが、社会人になって日の浅いZ世代には、視野を広げてもらうことにつながります。
所属する部署だけでなく会社全体、そして取引先も含め、自分の関わったことが大きな流れにつながっていて、そこには自分の役割がきちんとあることをわかってもらうのです。
そうすれば仕事の楽しさに気づくこともできますし、上司はそれを伝えるための声かけが大事になります。
失敗したときこそサポートする姿勢を明確に
中には頑なな人やネガティブな人もいるでしょう。仕事がうまくいったときにも、「たまたまですよ」とか、「運がよかっただけです」などの反応が返ってきたり、ほめたり評価していることを伝えても、斜に構えた態度が返ってきたりすることもあります。それでも、上司の側がそこで引いたりせず、態度を変えないことも大切です。
また、成果があったときだけでなく、うまくいかなかったときの声がけも欠かせません。日本人は「きっと本人が気にしているから、そのことには触れずにおこう」と考える場合もありますが、きちんと言葉にして、
「次はきっとうまくいくよ」
「もしわからないことがあったら、経験豊富な○○さんに相談するといいよ」
励ましや今後のためのアドバイスも一緒に伝えるとよいでしょう。仕事の全体像をつかみ、長いスパンを考えられるように導くとともに、「困ったときはきちんとサポートするよ」と明確に伝えるのです。
もうひとつ、単純なことにもかかわらず、意外とできていないのが、上司から部下に対して「ありがとう」の言葉を伝えることです。取引先には言えるのに、身近な部下には言えないのもおかしなことです。