文化庁の解釈でいけば、例えばユーチューブに勝手にアップロードされたテレビドラマは、DVD化や有料オンデマンド配信が行われるまでは無償著作物で、DVD化した瞬間、有償著作物に変化するというおかしなことになる。逆に1週間無料であれば、その間は有償性がなくなることになる。たとえユーチューブ上に「今日からDVD化されました」などと記載がなかったとしても、ダウンロードすれば違法。ダウンロードのたびに、DVD化や有料オンデマンド配信の事実があるかどうか、ユーザーがあらゆる手を尽くしても調べきれるわけがない。

次に著作権侵害かどうかだが、タイトルや説明文だけでは、著作権侵害のファイルかは不明で、ダウンロードしてみないとわからないことも多い。内容を確認するには、ダウンロードしてみるしかないが、その行為自体が違法になりかねない。自分がダウンロードしなくても、友達に「ユーチューブでダウンロードできるよ」と勧めたら教唆犯(他人をそそのかして犯罪実行の決意を起こさせる罪)が成立する。

また、自分のパソコンで友達が勝手に違法ダウンロードした場合、警察はダウンロードに使用したパソコンのIPアドレスを手がかりに捜査する。つい最近もウイルスによるパソコンの遠隔操作事件で、IPアドレスという証拠だけで誤認逮捕が続出した。つまり最初に犯人と疑われるのはパソコン所有者のあなただ。知らないでは済まされない。なお、利用者が13歳以下だと、未成年なので少年法の適用になり、ただちに刑罰に処せられるとは限らない。とはいえ、違法ダウンロードで逮捕してみたら未成年というケースは今後、たくさん出てくるかもしれない。

(斎藤栄一郎=構成 撮影=坂本道浩)
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