セクハラ被害者の80%が女性、加害者は「社内の先輩」が最多
新聞、印刷、放送、出版、映画、広告、音楽、コンピュータ業界の労組が構成する日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)女性連絡会は23年、セクハラのアンケート調査を行った。セクハラを受けたと答えたうちの80.9%が女性だ。
被害者の職種によって多少違いはあるが、加害者の属性で一番多いのは「社内の先輩」で、他に「直属の上司」や「社内、関係会社の上司」、「同僚、部下、後輩」、「同業他社」などが挙がる。外勤であっても「社内の先輩」が一番多いこと、前回18年の調査と比べ、「取引先・スポンサー」が激減していることを考え合わせると、業界内部でのセクハラが深刻であることが伺える。
女性に対するセクハラでとりわけ多いのは、「結婚しないの? 子供生まないの? などの自己決定権に関わる質問をされた」と、「必要もないのに身体的接触(キス、抱きつく、肩もみ、胸をさわる等)をされた」というものだ。
前回の調査時と比べ、前者の不適切な質問については、女性についてはほとんど減っておらず、変化がない。後者の不必要な身体的接触は今回減ったが、「コロナ禍で、宴会や歓送迎会など飲み会の場が減ったことが関係している」とMIC側は見ている。
また「出先、住居等までつけまわされた(ストーカー行為)」という、「一歩間違えれば命の危険もある」深刻なセクハラ被害も減っておらず、「女性の被害者が危険にさらされていることに変わりはない」というのがMICの見方だ。