セクハラを受けても、半数の人が相談窓口に報告できない
「私が退職した本当の理由」というハッシュタグをつけたXでの告発では、セクハラ行為だけでなく、その後会社がきちんと対処しなかったことが、女性たちの間で怒りを呼んでいた。MICの調査結果では、どうなっているだろうか。
それによると、被害者の75.3%が「受けたセクハラについて今でも苦しんだり悩んだりしている」という深刻な状況が浮かび上がっている。
相談窓口がきちんと機能しているかどうかも大きな疑問だ。「相談窓口などどこかに連絡・相談したか」という問いに対し、半数に当たる50.6%もの人が「連絡・相談しなかった」または「連絡・相談できなかった」と答えている。「連絡・相談した」と答えたのは38.8%しかいない。
相談しなかった、またはできなかった一番大きな理由は「相談しても解決しないと思うから」が65.6%。以下、「相談内容が他の人にもれるかもしれないから」「会社に居づらくなるかもしれないから」「仕事に支障が出るかもしれないから」が30%台で続く。
相談窓口には解決能力がないと見なされているだけでなく、窓口などでの秘密保持や告発者の保護についても、信頼できないと思われているのが現状だ。MICは「相談した先が安心安全であるように、被害者の立場に立った対応」を求めており、「窓口があることの周知徹底、窓口の使いやすさ、被害者のプライバシーの保護、相談員の継続的な技術や情報のブラッシュアップなどが必要だ」と指摘している。