バブルで人も組織も止まっている

こうした中途半端な会見を生み出す原因となった、フジテレビが抱える一番の“膿”。それが、時代錯誤に伴う傲慢さだ。フジテレビはバブル時代で人も組織も止まってしまっているのだ。

フジテレビはバブル全盛期の80年代に「楽しくなければテレビじゃない」をスローガンに掲げた。当時はテレビ界で2番手3番手、あるいはもう少し下という立ち位置だったからこそ、あのようなスローガンを打ち出せたのだと思う。自分たちが楽しかったらいい、面白かったらいい。そうして生み出したバラエティ番組やテレビドラマが視聴者の求めるものと一致して、黄金時代を築いた。飛ぶ鳥を落とす勢いで、フジテレビが多くの流行をつくり出していたといっても過言ではない。

しかしトップランナーになってから、意識が変わってしまった。それまでは視聴者と伴走していたが、自分たちが楽しかったらいいんだと突き進んでいるうちに、視聴者を置き去りにしていた。一緒に楽しんでいる視聴者はすでにいなかったのだ。コンプライアンスうんぬんではなく、今まで笑えていたものが笑えなくなっているという現実に、経営陣は気づいていない。