すべてのモノは目に見えない付加価値をまとっている

モノとは単なる物体ではありません。そのほとんどが可視化できない付加価値をまとっています。その付加価値には大まかに4種類あります。「機能」「情報」「感情」「希少」です。

まだ使えそう=機能価値
役に立ちそう=情報価値
愛着がある=感情価値
なかなか手に入らない=希少価値

とうぜんそのモノがまとう付加価値が大きいほど、捨てにくくなります。むしろそれは捨ててはいけないモノかもしれません。

衣類は相対的に付加価値が小さい。着古した服は機能価値も下がります。高価な服であっても必ずしも愛着がくわけではないのもおもしろいところ。だから比較的、衣類は判断がしやすいのです。

クローゼットを片付ける女性
写真=iStock.com/helena babanova
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かたや思い出の品には愛着を抱きがちだし、なにより希少価値は最高クラス。おいそれと捨てられないのはある意味とうぜんでしょう。でも、だからこそ「捨てる/残す」の判断をしっかりやり遂げないといつまでもらちが明きません。

自分とじっくり向き合い、残したいという誘惑を振り払う。そうして真の片づけをまっとうする。すべてはあなたが自由になるための作業なのです。

なぜ服や本から手をつけるべきなのか

少し違った観点ですが、この片づけの順番が秀逸でほかにありえないと思う話をしておきたいと思います。それは自分にとって身近なところから手をつけているということです。

服は持ち物のなかでもっとも肌に近い存在です。つまり、触ったときの感覚で選ぶことがしやすい。その次は本。これは本自体も物質的に確かに触るものですが、それにあわせて頭や脳にも近い存在。なので、判断基準が触った感覚とともに、頭での感覚も使うようになります。

さらに、書類となるとその数自体が劇的に増え、かつ本にも近い感覚で選べるもの。ここまできたら、培った「ときめきセンサー」の感覚をもとに小物という大きなカテゴリーにチャレンジし、最後にもっとも難しいであろう「思い出品」を残すのみ。

どうでしょうか。もはや流れ自体が美しい。超納得の最善設計。こんなに選びやすい順番、ほかにありません。