ライバル登場!大手生保もネット専用商品発売
「掛け金の安さとわかりやすいシンプルな保障。これがライフネット生命やネクスティア生命などネット生保の利点です。特に対面での生保販売の常識だった代理店や生保レディを撤廃して、低コストを実現し価格破壊の大きな影響を与えました」(前出・黒田さん)
08年に新規参入した両社とも好調に契約件数を伸ばし、保険専門サイトなどが調査した人気ランキングなどでも代表商品が上位に顔を出している。
日本最大級の保険比較サイト「保険市場」における昨年1年間の人気ランキングでも、死亡保険の場合、ライフネット生命「かぞくへの保険」(定期)やネクスティア生命「カチッと定期」(定期)が1、2位を占めた。
ただ、強力なライバルも出現した。大手生保のオリックス生命がネット専用の定期保険「Bridge」を発売したのだ。この商品もネット販売ならでの低コスト構造で、あまり販促に力を入れていないのにもかかわらず専門家から支持されている。
また、ネット生保の急成長ぶりに触発されたのか、加入者を「喫煙者か非喫煙者か」「健康体や標準体か」などでランク分けして、「非喫煙優良体」となると割安な保険料となるメットライフアリコ「スーパー割引けんこう定期保険」といった商品も登場している。
さて、「業界最安」はライフネットか、それとも大手系の後出しじゃんけん組か。死亡保険金2000万円、10年定期という条件で、25歳男性と40歳男性の保険料を調べた。上の表がその結果だが、黒田さんはこう解説する。
「ライフネットの商品は20~30代の若い世代は割安ですが、40代以上は業界最安とはいえなくなります」
一方、保険料以外でネット保険の長所短所を語るのは前出・畠中さんだ。
「対面販売の場合、新たに加入しようとすると『お持ちの他の商品もトータルで見直しませんか』と保険証書の提出を求められることが。でも、いい見直し案はあまり出てこない(苦笑)。ネット生保ならそんな煩わしさはない」
では、短所は何か。
「ネットで加入した後に、『死亡保険の設定額は低すぎなかったか』と不安に思う人は少なくありません。専門家や担当者の話を聞いていないので安心感が欠如する部分があるのです」