書類の改竄に加担すれば刑務所行きも
4.融資を受けるために提出書類を改竄する
銀行員は顧客が融資を受けられるよう、決算書、収入証明書、預金通帳の残高、不動産売買契約書など、提出書類の改竄を勧めたり、銀行員自ら改竄したりすることがある。バブル期に個人の住宅ローンに関してさかんに行われた手口で、最近ではスルガ銀行の「かぼちゃの馬車事件」(シェアハウス建築案件への過剰融資)でも多用された。しかしバレると、融資の一括返済を求められるだけでなく、詐欺罪にまで問われる。
現に昨年12月、改竄した決算書にもとづいて銀行から融資を受けた大阪市西淀川区の会社社長が、指南役の元銀行員の経営コンサルタントとともに逮捕・起訴されている。
銀行員の口車に乗って軽い気持ちで書類を改竄すると、単に経済的な不利益を被るだけでなく、刑務所行きになるので、非常に怖い。
怪しい銀行員を見抜く「セールストーク」とは
5.相手の知識不足や意思能力の低下に付け込む
金融知識が十分でない顧客や年寄りに、博打的なデリバティブ(金融派生商品)を組み込んだ預金や債券、手数料ばかり高くて上がる見込みのない投資信託などを売りつけたりするのは銀行員の悪癖だ。これについては、2年前に千葉銀行、ちばぎん証券、武蔵野銀行が金融庁から業務改善命令の厳罰を受けた事件に関し、〈年収5億円の外資金融マンが作る「仕組み債」を、年収600万円の地銀マンが日本の老人に必死で売る残念さ〉という記事をプレジデントオンラインに寄稿した。
この種の商品を売る際のセールストークは「お客さまにぴったりの商品があります!」とか「プロのファンドマネージャーが24時間値動きを見て運用していますから、何の心配もありません」という、歯の浮くようなセリフだ。
しかし、幸せの青い鳥などどこにもいない。「金融にマジックはない」(リターンが高ければ当然リスクも高い)は、プロの金融マンたちの合言葉だ。自分が分からないものには、手を出さないこと。そして銀行員を無条件に信用してはいけない。