仕事のデキる人は何に目を向けているか。精神科医の和田秀樹さんは「真面目に取り組むことは、あくまでも手段である。不安や焦りに振り回されないためには、プロセスではなく、結果を見ることが大切だ。『結果』を重視するとは、『手段』と『目的』をハッキリと分けることを意味する」という――。
※本稿は、和田秀樹『仕事も対人関係も落ち着けば、うまくいく』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
落ち着こうとすればするほど、逆に落ち着かなくなる
「肩のチカラ」を抜く練習をする
大事な商談や試験を前にすると、自分で「落ち着かなければ」と思ったり、周囲からも「リラックスして、頑張れ」などと応援されるため、何とかして肩のチカラを抜こうとしますが、これは完全に逆効果になります。
人には、落ち着こうとすればするほど、逆に落ち着かなくなる傾向があります。
落ち着かなければ、失敗するかもしれない……という思いが焦りを生んで、緊張につながってしまうのです。
精神科医の目で見ると、大事なときだけリラックスしようと思うのは、少し虫のいい話だと思います。
落ち着こうと思って、本当に落ち着けるならば、世の中に緊張する人はいません。
思い通りにいかないから、緊張や不安に悩んでいる人がたくさんいるのです。
その対処法としては、無理して落ち着こうと考えないことが大切ですが、それ以上に効果的なのは、普段から肩のチカラを抜く練習をしておくことです。
世の中には、次のようなリラックス法が広く紹介されていますから、時間があるときに自分に合うものを試しておけばいいのです。
①深呼吸をする
②ポジティブな自己暗示をする
③好きな音楽を聴く
④好きな香りを嗅ぐ
⑤ストレッチをする
大事な商談を頭に思い浮かべて、深呼吸をしたら、気持ちが落ち着いた……となれば、それが自分にマッチしたリラックス法ですから、「何かあったら、何度か深呼吸をすればいいんだな」ということがわかります。
それが「お守り」となって、落ち着きを手に入れることができるのです。