真面目に取り組むことは、あくまでも手段
日本人には、「物ごとに真面目に取り組む」ことを美徳と考える傾向がありますが、真面目に取り組むことを優先させると、息苦しくなったり、不安になったりします。
大事なのは結果ですから、プロセスは楽しむことを考えて、結果を重視する……という視点を持つことが、気持ちを軽くすることに役立ちます。
プロセスは楽しんで、結果を重視するとは、「手段」と「目的」をハッキリと分けることを意味しています。
真面目に取り組むことは、あくまでも手段であって、いくら真面目にやっても、肝心の目的が果たせなければ意味がありません。
逆の見方をすれば、結果さえ出せれば、不真面目にやっても、手抜きをしても、どこからも文句が出ることはないのです。
「どうすれば結果を出せるのか?」を優先させず、プロセスにこだわってしまうと、試行錯誤ばかり繰り返して、迷路に入り込むことになり、毎日が不安と焦りの連続になってしまいます。
これは手段が目的化している典型的なパターンといえます。
結果にこだわる限りにおいては、そのための最適ルートを考えることによって、方法論やソリューションが明確に見つかります。
不安や焦りに振り回されないためには、手段と目的を混同しないように、プロセスではなく、結果を見ることが大切です。
「振られた仕事を上手にこなす」では売り物にならない
人には誰でも、「得意なこと」と「不得意なこと」があります。
心配性な人や不安感が強い人ほど、自分の弱点を克服することに意識を向けますが、逆の視点を持って、自分の「強み」をさらに強化した方が、自信を育てることに役立ちます。
自分の弱点を克服しても、十人並みのレベルに達することが精一杯であれば、それが自分の武器になることはありません。
不得意なことは、自分の弱点として認識するにとどめて、得意なことに全精力を傾ければ、それが自分の「取り柄」になります。
取り柄とは、自分が持っている能力(スキル)の中でも、格段に高いレベルにあり、人よりも優れているものを指します。
「データ入力が圧倒的に早い」とか、「文章を書くのが抜群にうまい」など、何でもいいから、人の上を行くスキルを一つでも持っていれば、「芸は身を助ける」ではありませんが、自分のアピールポイントになります。
会社などの組織で働いていると、上司から振られた仕事を上手にこなせることが自分のスキルと思いがちですが、そうしたスキルは今の会社だけで通用するものです。
「営業力がズバ抜けている」とか、「経理の能力が抜きん出ている」となれば、どこの会社に転職しても、自分のポジションを獲得することができます。
取り柄を磨くことは、自分の「売り物」を作ることでもあるのです。