「企業のIT部門はAIエージェントのHR部門になる」

AIエージェントの性能は、複雑な状況での意思決定や創造的な問題解決を可能にする方向へ加速する。AIエージェントは、人の代わりにより高度で多岐にわたる意思決定を下し、あらゆる側面で中心的な役割を担う可能性を秘めている。それを支えるのがフアン氏の語る「スケーリング法則」というわけだ。

フアン氏は「未来では、企業のIT部門はAIエージェントのHR部門になる」と言い切り、AIエージェントが職場生産性を支える中心的な存在になることを予測した。先進的な企業では、それぞれのプロがそれぞれのAIエージェントをもち、それぞれのプロがそれぞれのプロとコミュニケーションするとともに、それぞれのプロのAIエージェントがそれぞれのプロのAIエージェントとコミュニケーションして仕事を進める未来がすぐに到来する。これが彼の発言の真意だ。以下の写真は、AIリサーチアシスタントのプロのAIエージェントが多彩なプロのAIエージェントとコラボレーションする様子を示している。

一方、自律走行車やロボットなどの物理AIに関連して「数兆ドル規模の事業機会」という巨大なポテンシャルにも言及。これらのテクノロジーが単なる個別のイノベーションにとどまらず、次世代経済を支える基盤となることを強調した。この展望は、NVIDIAの戦略がハードウェア供給を超え、AIとロボティクスを駆使して新たな産業と価値を創造するビジョンに根ざしており、フアン氏の言葉には強いインパクトと説得力が宿っていた。

CES2025の様子
出典=筆者がCES2025において撮影