分数ならではのおもしろい使い方
【西成先生】分数は割り算と一緒ですから、割り算の性質がそのまま当てはまります。割る数と割られる数を同じ分だけ掛け算しても商は同じでしたね。たとえば、「4÷2」と「8÷4」の商はどちらも同じ2。
【西成先生】同じように、分子と分母に同じ数を掛けたり、同じ数で割ったりしても、分数の大きさは変わりません。つまり、4/2と8/4の大きさは同じなんです。ちょっと難しくしましょう。3/4と3/4の分子と分母に2を掛けた6/8では、分数の大きさは同じです。
【郷さん】「分数の大きさ」ってなんですか?
【西成先生】分数が割り算だと考えれば、割り算の商のこと。「割られる数(分子)の中に割る数(分母)がいくつあるか」です。それを変えずに形だけ変えられるのです。たとえば、ホールケーキが1つあったとしましょう。3/4ということはホールケーキを4等分したうちの3個ですね。
【郷さん】はい。
【西成先生】では、6/8はどれくらいかというと、ホールケーキを8等分したうちの6切れ。3/4と6/8で大きさは変わらないですよね。
【郷さん】細かくなった感じがありますけど(笑)。大きさは同じですね。
【西成先生】分数の計算をするときは、この「意味を変えずに形だけ変える」ということをひんぱんに行います。この性質は覚えておいてください。
(イラスト=meppelstatt)