性暴力の告発。しかし……救いを求める声は届かない。
動物病院に勤める看護師・九重咲歩は、かつて、小説講座の人気講師・月島光一からその才能を見込まれていた。しかし、それにつけこむようにして行われた、月島から咲歩への性暴力。誰にも言えない秘密を抱えたまま生きる咲歩だったが、一方の月島は講師としての地位を確実なものとし、マスコミにも登場するようになっていた。その姿を目にした咲歩は、苦悩の果てに7年前の月島の行為を告発することを決意。しかし、そこにはさらに大きな苦しみを伴う戦いが待っていた……。
井上荒野による衝撃的小説を、新鋭・粟森きちが渾身の力でコミカライズ。「今の時代」を貫く、物語。『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』第3話をお届けする。



©井上荒野・粟森きち/小学館