2024年下半期(7月~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお届けします。大河ドラマ部門の第5位は――。
▼第1位 藤原道長憎しのあまり、暴走し自滅した…ギリギリまで道長を追い詰めた定子の兄・伊周が迎えたあっけない最期
▼第2位 NHK大河はこの史実をどう描くのか…まだ幼い「定子の息子」に対して藤原道長が行ったひどすぎる仕打ち
▼第3位 NHK大河ドラマを信じてはいけない…紫式部の娘・賢子が異例の大出世を遂げた本当の理由
▼第4位 NHK大河でどこまで描写できるか…失禁と下痢が止まらず、娘・彰子も近づけなかった藤原道長の凄絶な最期
▼第5位 藤原道長にいいように利用され、最後は天皇の座を奪われた…2人の中宮を持った一条天皇が迎えた悲しい最期
NHK大河で描かれた道長の「待ち望まれた日」
藤原伊周(三浦翔平)が、中宮彰子(見上愛)を必死に呪詛した効果も空しかった。寛弘5年(1008)9月11日、彰子は無事に皇子を出産した。NHK大河ドラマ「光る君へ」の第36回「待ち望まれた日」(9月22日放送)。
一条天皇(塩野瑛久)にはすでに、亡き皇后定子(高畑充希)が長保元年(999)11月7日に産んだ第一皇子、敦康親王(渡邉櫂)がいた。定子の兄で、敦康の伯父にあたる伊周は、いうまでもなく、甥が皇位を継承することを望んでおり、その立場を脅かす第二皇子の誕生は、伊周にとって大きな不安材料になった。
だが、藤原道長(柄本佑)にとっては、長女の彰子が敦成と名づけられた皇子を出産した日は、文字どおりの「待ち望まれた日」だった。敦成が皇位を継承すれば、道長は外祖父として摂政となり、その権力を盤石なものとすることができる。その可能性が一気に高まったのである。
ドラマでは、道長はまひろ(吉高由里子、紫式部のこと)に、彰子の出産の様子を記録するように依頼したが、実際、『紫式部日記』は、そうして書きはじめられたものと考えられている。そしてそこには、道長が皇子を抱き上げると、皇子は粗相をして道長の着物を濡らしたが、道長は「濡れてうれしい」とよろこんだと記されている。
藤原実資(秋山竜次)の日記『小右記』にも、道長は仏神の助けによって出産を平安に遂げられ、よろこぶ様子は言い表せないほどだったと書かれている。