ペアローン団信を使わず、収入保障保険に加入する選択肢も
もちろん、ペアローン団信によって、以後の住宅ローンの支払いがゼロになるメリットは大きなものがあります。毎月の固定費がグッと抑えられれば、生活面が楽になること間違いなしです。しかし、上記のような高額納税に対応できる「パワーカップル」はそこまで多くないようにも思います。
マネー相談の場には、夫婦一緒にいらっしゃいます。パワーカップルにありがちなのが、その相談の場で、相手方の貯蓄状況が初めてわかり、お互いの貯蓄金額が少ないことに驚かれることです。1000万円近くの貯蓄がない場合、税金が支払えないという事態に陥ることも考えられます。
したがって、ペアローン団信を利用する場合は、「一時所得」による税金を支払えるだけのお金を確保しておくことが望ましいでしょう。ペアローン団信を使わず、「通常の団信+保険」を利用するのもひとつの方法です。
たとえば、ペアローンを借りて通常の団信に加入し、それぞれが収入保障保険(死亡・高度障害で毎月一定額ずつ受け取れる保険)に加入します。仮に相手方が亡くなった場合、自身の住宅ローン残債は残りますが、収入保障保険からの保険金をその返済に充てるようにすれば、生活の負担を減らすことができます。
年齢が高い場合にはペアローン団信が有利に
FWD生命が販売する収入保障保険に「FWD収入保障」がありますが、保険期間・保険料払い込み期間=60歳、最低支払い保証期間5年、非喫煙者優良体、年金月額15万円の契約をした場合の保険料は、40歳男性ならば月2481円です。40歳女性の場合、最低支払い保証期間10年となり、保険料は月2542円です。
この保険料ならば、ペアローン団信の上乗せ金利の負担と同水準でもしもに備えることができます。
なお、ペアローン団信の金利上乗せは一律なのに対し、収入保障保険の保険料は年齢が高くなるほど上がる点には注意が必要です。年齢が高い場合は、ペアローン団信のほうが毎月の負担面では有利になるでしょう。現時点の貯蓄額を踏まえ、ベターな選択をしていただければと思います。
良い商品には何か裏があるかもしれない、と常日頃から考える習慣を持ちましょう。
新商品にすぐ飛びつくのではなく、内容をしっかり見定めてから行動するのが大切です。