「50分集中しては休む」を繰り返す
【澤円】それは例えば、どのようなルーティンですか?
【越川慎司】朝起きて歯を磨いたら、観葉植物に水をあげて、次にコーヒーを淹れる。そうしたら、パソコンを起動させるといった具合です。一つひとつの行動が独立して存在しているのではなく、一連の流れとしてルーティンになっているから、やる気があろうとなかろうと自然に仕事をはじめられるというわけです。
【澤円】もうひとつの「②集中継続力が高い」についてはいかがでしょう?
【越川慎司】「集中力」ではなく、「集中継続力」だということがポイントです。体力任せで3時間仕事を続けたということでも達成感は得られますし、もちろん悪いことではありません。でも、そこで集中力を使い切ってしまうと、次のタスクをきちんとこなせないのです。だからこそ、集中を継続する力が求められます。
トップ5%社員は、1日のなかで集中する時間をたくさんつくろうという戦略を持っています。具体的には、「疲れ切ってしまう前に休む」のです。だいたい45分から50分くらいで一度仕事を区切って休憩し、また45分から50分集中するということを繰り返しています。
優秀な人は「エネルギーの温存」がうまい
【澤円】人間が持っているエネルギーには限界があるからこそ、温存しているわけですね。意地悪な表現をすれば、「うまくサボっている」ともいえそうです。
【越川慎司】さらに言い換えるなら、「アクセルとブレーキの踏み分けができている」ということです。例えば、週報を書かなければならない企業は、いまも7割以上に上ります。でも、週報に多くのエネルギーを費やしても、評価が大きく上がることはありません。そうであるならそのエネルギーはもっと直接的な成果や評価につながることに注力したほうが得策ですよね? そのような仕事に取りかかったときにしっかりアクセルを踏むために、優秀な人はエネルギーの温存戦略をとっているのです。