優秀な人は睡眠時間も長い
【澤円】先の、一定時間以上の睡眠を確保することもそうだと思いますが、優秀なビジネスパーソンはどのような健康習慣を持っていますか?
【越川慎司】睡眠時間が長い傾向にあることは間違いありません。トップ5%以外の平均睡眠時間が5.4時間に対して、トップ5%社員の平均睡眠時間は6.5時間と1時間以上も長いことが調査から判明しました。平均の数字ですから、なかには8時間以上という人もいるほどです。
仕事が忙しいときには、「まず睡眠時間を削ろう」と考えるのが一般的でしょう。でも、トップ5%社員は、「健康でなければいいパフォーマンスを発揮できない」と認識しています。そのため、睡眠時間を確保したうえで「仕事のなかでなにを減らしたらいいか」と考えるのです。
ランチは腹八分目、間食はナッツ
【澤円】健康習慣というと、食事にもなにか特徴がありそうに思いますが、いかがですか?
【越川慎司】優秀なビジネスパーソンの多くが、「血糖値のコントロール」を意識しています。ランチに脂質や糖質が多いものをたくさん食べると、血糖値が急上昇します。その瞬間は高揚感が生まれますが、そのあとに血糖値が急降下し、集中力が低下したり眠気に襲われたりしてしまうのです。ですから、ランチは腹八分目に抑える意識をトップ5%社員は持っています。
その代わりに、間食をするという習慣も持っています。10時や15時にバナナやナッツ類、ドライフルーツなどを食べるのです。おなかが空き過ぎてしまうと、血糖値が低下して脳にエネルギーがまわらなくなり、パフォーマンスが落ちるからです。満腹にはしないものの、常にある程度おなかに食べ物があるという状態をコントロールしているようです。
【澤円】健康であることがパフォーマンス向上に直結することがよくわかりました。そう考えると、「全然寝てないんだよ」などと不健康自慢をするようなことはもってのほかですね。
【越川慎司】そういった間違った武勇伝をして楽しいのは、話している本人だけです。むしろ、メンバー同士で「こういうことをしたら健康によかった」という経験を共有するなど、チーム内で建設的なディスカッションをしてほしいですね。