アイコンタクトは「キャッチボール」と「0-3-50-70-100」方程式
アイコンタクトがいかに大切とはいえ、「恥ずかしい」「やり方がわからない」「目を合わせるのが苦手」という方に朗報です。「目からうろこ」の秘策があるのです。
プレゼンなどで複数の人の前で話す場合、目の前にいる人たちとのアイコンタクトの方法として、次のうち、どれが正解でしょうか?
①灯台方式:灯台のサーチライトのように聴衆全体をなめるように見渡す
②見返り美人方式:目線は基本、スライドに向き、時々、振り返るように聴衆を見る
③テニスの観客方式:右から左、左から右へと振り子のように目線を配る(首相会見のように、両側にプロンプターを置くとやりがち)
じつは、どれも間違っています。
「目の前の人たちを、じゃがいもだと思え」などというアドバイスもありますが、これもNG。
正解は「キャッチボール方式」。目の前の一人ひとりと順番にキャッチボールをするように、目線を交わすのです。人数の多い会場であれば、6セクションぐらいに分け、Aセクションの誰かひとり→Cセクションのひとり……というようにひとりずつ目を合わせるようにしていきます(図表1)。
ポイントは、聴衆の誰かひとりとしっかりと目を合わせること。
「この人は私のことをちゃんと見てくれている」
「私に対して話しかけてくれている」
と相手に思わせるのです。向き合うのは人であり、じゃがいもではありません(どちらも「め」はありますが……)。
「人と目線を交わすのがどうしても苦手」という人は、相手の両目の間、眉の間など、目になるべく近い箇所を見るようにしてください。
アイコンタクトの方程式は「0-3-50-70-100」と覚えましょう(図表2)。
<ここがポイント>
●相手と会った瞬間(0秒目)、話しはじめる前に、まず目を合わせる
●1回のアイコンタクトは3秒ぐらい
●自分が話しているときは50%の時間、相手の目を見る
●話を聞くときは70%の時間、相手の目を見る
●リモート会議では、話す間は100%、目線を合わせる
2023年に、海外のTikTokで大いにバズったのが「トライアングルメソッド」と言われるアイコンタクトの手法でした。「相手の片方の目→口→もう片方の目」という順に見つめることで、「相手を自分に夢中にさせる」というものでしたが、これに科学的根拠はありません。ただ、アイコンタクトを戦略的に使うことで、相手の心をつかみやすくなることは間違いないでしょう。