競合との差別化を明確にすれば、相手も提案に乗りやすい

「飲み会ではお客様の競合のことを話題にするのはタブー」というのが一般的な考え方です。たしかに、競合の話は、相手にとって失礼にあたることもありますし、悪口などネガティブな展開になりがち。

相手に「この人は、うちの悪口も言っているかもしれない。信用できない」という印象を持たれてしまいます。

戸賀敬城『ビジネス会食の技術』(三笠書房)
戸賀敬城『ビジネス会食の技術』(三笠書房)

しかし、ポジティブな内容であり、仕事の成果につながる話であれば、あえて競合の話をするのも「あり」だと思います。

私の場合は、ブランド企業の広告担当者にイベント企画を提案したいときに、ライバルブランドの成功例を話します。ただ、「○○社は、こんな方法で一緒にイベントをやって成功しました」だけでは、「競合と同じことをやってくれ」というメッセージになってしまい、失礼です。

そこで、「御社の強みを活かして、この部分を変えればもっとうまくいきます」と具体的にプランを提案します。このように競合との差別化を明確にすれば、相手も提案に乗りやすくなります。

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