若手がやる気を持って働ける組織とはどのようなものなのか。創業5年8カ月でアパレル会社「yutori」を上場させた片石貴展社長は「年齢が若いからといって能力が低いと見たり、結果を出しているのにグレードを上げなかったりすると、若者は成長しなくなる」という――。
※この記事はマイナビ健康経営のYouTube番組「Bring.」の動画「若者たちの『好き』と『熱狂』が渦巻く『若者帝国』を築く! Z世代の才能を最大限に活かす組織論」の内容を抜粋し、再編集したものです。
若い社員にも積極的に権限を移譲する
【澤円】yutoriでは主に20代の若者たちが自分の能力を存分に発揮し、いわゆる「仲良しクラブ」ではない、強靭な組織として機能しています。そうしたZ世代の人たちが生き生きと働ける組織をどのように構築しているのでしょう?
【片石貴展】現在、yutoriは30以上のブランドを保有していますが、各ブランドに若いディレクターたちがいて、それぞれが自律的に行動できる組織になっています。そのような組織を構築できる主な理由は、彼ら彼女らにかなりの程度「権限委譲」をしているからです。
わたしは、世代が若くなればなるほど、基本的にハイスペック化していくと考えています。年齢が若いからといって、総合的に能力が低いとはまったく見ていません。むしろ若い人のほうが、多様な情報や知識をスピーディーに取り込むことができます。
また、最先端のトレンドや、多彩なカルチャーをリアルに体験することもできます。そうしたインプットによって、頭脳はもとより見た目だって基本的によくなっていく面があるのではないでしょうか。
とりわけファッションの領域では、20代前半頃が、ユーザーに刺さるものを生み出せるピーク期だと認識しています。だからこそ、彼ら彼女らにできる限り権限を委譲し、チャンスや活躍の機会を与えるようにしています。