インドのスラム、福島第一原発…「死」の隣で去来したこと

齊藤さんの人生は、波乱万丈だ。「幼いころから寺での生活には、抵抗はなかった」と語るが、僧侶としての道を確立するまでの彼の歩みは、決して平坦ではなかった。

最初の転機は、日蓮宗僧侶になるための第一歩を踏み出す道場「僧道林」に入る直前に、幼馴染の親友が自死したこと。僧侶として友を救えなかった無力さを恥じ、本格的に修行道場に入るのをやめた。人生の目的も失いかけ、精神的にも荒んだ日々を送っていたという。

「そんな私を見かねた父が、『インドにでも行ってこい』と言ってきたんです。そこで1年ほどインドを放浪することに。スラムを回り、ストリートチルドレンらと交流し、貧困の中でも逞しく生きる人々を目の当たりにしました。このインドでの強烈な経験が私の目を覚まさせました。それでお寺を継ぐというレールからいったん外れ、真逆のことがしたくなったんです。私が選んだのは、自衛隊に入隊することでした」