「みんな」の前でも、一人ひとりに言葉をとどける

もう1つ大事なことがあります。

片田智也『弱メンタルでも職場でうまいことやる方法を教えてください!』(明日香出版社)
片田智也『弱メンタルでも職場でうまいことやる方法を教えてください!』(明日香出版社)

それは、「みんな」に向かって話そうとしないことです。

1対1であればふつうに話すことができるのに、3人の前に立って話そうとするとどうなりますか?急にたどたどしくなってしまうはずです。

この時、あなたは誰に話しかけているのでしょうか?

そう、「みんな」です。

でも、「みんな」という人は存在しません。それは、人の集合を表す概念です。

つまり、実際の人が見えていないということです。

「みんな」という集合体に話しかけるのではなく、「鈴木さん」「佐藤さん」など、一人ひとり、順番に話しかけるイメージを持ってください。

1対1で話をする時と同じように、目を見ながら「その人」に言葉を届けるのです。

1人の人間として話しかけられた人は、たいてい人間らしい反応を返してくれます。つまり、うなずいたり、あいづちを打ったり、目線を返してくれたりするのです。

反応が返ってくれば、人前で話す緊張もすっと消えていくでしょう。

「いいことを言わなければ」などと思っている時ほど、目の前にいる「その人」を認識できていないものです。

失礼な話、力んだところで急に話がうまくなるわけでもなし。逆に言えば、いきなり下手になることもありません。

大丈夫。いいことを言おうと思わないで、いつも通りに話してみてください。

いつも通り、一人ひとりに話しかけるイメージを持とう
(イラスト=髙栁浩太郎)
【関連記事】
上司に「倉庫の段ボールを片づけて」と言われてカチンとくるのは三流の証し…そのとき一流がする行動
なぜイマドキの新入社員は「おはようございます」が言えないのか…SNSに広がる「あいさつ不要論」への違和感
「ランチ会はじめます」と社長が言い出したら要注意…優秀社員がどんどん辞めていく「ダメな会社」の共通点
「急ぎでお願いします」よりも好印象…仕事を頼むのがうまい人が"曖昧ワード"の代わりに使っている言葉
「音がうるさいですよ」では逆ギレされるだけ…電車内で音漏れがひどい人を一撃で謝らせる最強の"3文字"