親の扶養にある成人アルバイトのケース

②成人の扶養家族ケース(現状)

続いて、年収が500万円から800万円の会社員の親と、23歳から39歳でアルバイトをしている子供とのケースを見ていきましょう。

【図表5】扶養家族の年収の壁(現状)
筆者作成

現状では年収100万円の場合、手取りが91万円、手取り率は91%です。

配偶者の場合と比べて手取り率が少ないですが、これは子が自身で国民年金に加入しており、年間約20万円の保険料を払っていると想定しているからです。

年収100万円を超えると住民税が発生し、週20時間以上働くと雇用保険も発生してきます。このため年収103万円の場合は、手取りは93万円、手取り率が90%となります。

年収103万円を超えると、今度は所得税が発生してきます。さらに親の扶養控除が消滅してしまいますので、手取りが82万円、手取り率も79%まで下がってきます。

こういうことがあるので、みなさん年収を103万円以下におさめようとすることになります。ここで「年収103万円の壁」が出てくるわけです。

成人の子が扶養家族となっている場合、年収が106万円になると、勤め先の従業員数が50人以上の場合は社会保険に加入となるので、手取りが89万円、手取り率84%と、手取り率が少しアップします。

ここは配偶者の場合とは逆です。そうなるのは、アルバイト先の厚生年金に加入することで、それまで加入していた国民年金の保険料を払わなくて済むようになるからです。

年収130万円になると親の社会保険の扶養からも外れるので、バイト先の従業員数には関係なく国民健康保険か社会保険に加入する必要が出てきます。その場合、手取り107万円、手取り率82%となります。

年収178万円になると、手取り141万円、手取り率79%と、さらに手取り率が下がってきます。

収入を増やしたほうが得になる

②成人の扶養家族ケース(変更後)

ここで基準が178万円に引き上げられると、どう変化するでしょうか。

図表6(次ページに「扶養家族の年収の壁(178万円の時)」の早見表)を見てください。