フリマアプリ「メルカリ」での顧客同士のトラブルに対する同社の対応を巡って、批判が殺到した。桜美林大学の西山守准教授は「メルカリには複数のリスク対応のミスがあった。これらが二重、三重に積み重なった結果、大炎上を巻き起こした」という――。
メルカリ「返品トラブル」が大炎上
フリマアプリサービス「メルカリ」が大炎上している。きっかけは、11月11日、ある出品者のX(旧Twitter)への下記のような投稿だった。
メルカリで窃盗にあいました。新品未開封のプラモデルを発送しました。購入者からパーツ破損のためキャンセルしたいと連絡があり、メルカリからの指示もあり返品に応じました。着払いで届いた商品を開封すると中身がほとんど抜き取られ、ゴミが入っていた。どうしたらいいのか知恵をください
さらに、この出品者がメルカリの事務局に相談をしたところ、「購入者が正しい商品を返送したと言っている」という理由から、同社は補償をせず、サポートも打ち切られ、取引は強制的にキャンセル扱いとされたという。このやり取りがSNSに投稿されると、他のユーザーからも同様の被害に遭ったとのコメントが相次いで寄せられ、炎上状態に。「#メルカリ詐欺」がトレンド入りするに至った。
後手後手の対応も「手のひら返し」と批判
この炎上を受け、メルカリ側は出品者に対して補償を行ったが、もはや手遅れで「手のひら返し」との批判を受けた。さらに、メディアの取材に対して、メルカリ側は「個別の出品物に対する受け止めや対応方針等については、本件にかかわらずコメントは差し控えさせていただいております」と回答して、さらに人々の不信感を募らせる結果となった。
筆者自身、メルカリには何度も購入、出品をしてきたが、大きなトラブルは起きたことはなかった。ヘビーユーザーではないが、便利なツールとして利用してきただけに、今回のトラブルは個人的にも残念に思っている。
メルカリの対応は非常にマズかったと思うのだが、今回のトラブルは、現代ならではのものであり、どの企業、さらにはどの個人にも起きかねないものだ。メルカリの例を「他山の石」としてわれわれが学ぶ点は多い。