「ま、いっか」は魔法の言葉

【澤円】ところで、中島さんのご著書には、必ずといっていいほど「ま、いっか」という言葉が出てきます。この言葉には、「自分は自分」「このままでいいんだ」と気持ちが緩むような軽やかさを感じます。うつ感情の予防にもよさそうですね。

【中島輝】どこかで「区切りをつける」ことは、ストレスのマネジメントにおいてとても重要です。この「ま、いっか」は、区切りをつけるためのマジックワードなのです。

ストレスを感じたとき、その事実そのものを消すことはできません。でも、その事実に区切りをつけることはできますよね? 「今日は嫌なことばかりが続くな」「ストレスを感じちゃったな」と思った際、「でも、ま、いっか」と口に出したり思ったりしてみましょう。

要するに、その言葉をトリガーにして、ストレスを感じた事実と自分を切り離してあげてほしいのです。すると、「ここからはストレスを感じていない自分だ」と思え、気持ちがポジティブな方向に向かっていくはずです。

【澤円】先に、「自分を労る」ともおっしゃっていましたが、自分に優しく接するような姿勢が大事ということでしょうか。

【中島輝】他人には優しくできても、自分には厳しいという人は意外なほど多いものです。でも、他の誰でもない自分自身こそが、自分の理解者であり、共感者であり、応援してくれる存在なのです。そのように自分自身を捉えて、自分を優しく労ることを考えてほしいと思います。

(構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム) 文=清家茂樹)
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