1カ月の予算をきっちり管理する方法
この構造を確かなものにするためには予算を立てて決算をするという、家計管理の循環を作ることが効果的です。家計簿やアプリなどで支出の記録付けをする人は多いと思います。もちろんそれは大切なことですが、1歩進んで、家計管理にPDCAサイクルを導入するのがお勧めです(図表3)。
具体的には次のようなステップで行います。
Plan:予算を立てる
年間の貯蓄額や投資額を決め、手取り収入から差し引いて年間の支出総額を確定します。次に、「住まい」「日常生活」「保育・教育」などの支出項目ごとに配分します。
Do:実行する
予算通りに実行できるよう、家計簿やアプリなど、自分に合った方法で管理をしていきます。
Check:決算をする
計画通りにできたかどうかを確認し、うまくいかなかった場合はその理由を探ります。
Action:改善する
決算の状況を把握したうえで、改善策を検討し、次年度の予算策定につなげます。
PDCAの中でも、「Do:実行する」のパートがうまくいかないと、PDCAサイクルは絵に描いた餅になってしまいます。支出管理については〈クレカを4枚以上作るとお金持ちにはなれない…FPが解説「お金が自然に貯まるシステム」の作り方〉を参考にしてください。
上記の記事では、年間の支出総額を12カ月で割り、さらに1カ月分を5週で割って予算管理することを勧めています。それをイメージしたのが図表4です。
自分なりの「打たれ強い家計」を作る
5週目の日数は少ないですから、通常は予算が余りますので、それを翌月に繰り越します。何事もなければ徐々に繰越金は積み上がっていきますが、季節要因で水道光熱費が高くなるとか、予定外の出費などで予算を超過した月に取り崩します。そのように少しずつ調整しながら、年間を通して支出総額の枠内に収めようというものです。
あくまでも一つの事例なので、これにこだわる必要はありません。ヒントになるものがあれば取り入れていただき、自分なりのやり方を見つけて継続することが重要です。
このような習慣は、打たれ強い家計を作ることにもつながります。年金生活を待つまでもなく、転職や起業、育児、介護など、一時的に収入が下がることがあるかもしれません。支出構造を把握して、PDCAサイクルで循環させている家計だと、支出の見直しも容易ですし、家計のリスク許容度を自己診断することも可能です。
セールは心が躍る楽しいイベントです。末永くショッピングを楽しめるように、循環を意識した家計管理を心がけてください。