ひどい下痢で体力消耗、どんどんやつれていく
移植の翌日、Day1です。
前処置の抗がん剤の副作用が少しずつ強くなってきました。舌にピリピリとしびれた感じがあります。先生によると、味覚障害ではないかとのことでした。その後、ピリピリしたしびれは唇にも出てきました。
そして下痢がひどくなり、1時間おきに便意に襲われトイレに駆け込みギリギリセーフ、たまにアウトというような状態になりました。便はほとんど水のような状態。いつ便意が襲ってくるかが気になり、落ち着きません。夜もゆっくり眠ることができませんでした。
ひどい下痢が続くとそれだけで体力を消耗します。食べたものの栄養が吸収されずに水分とともに出ていってしまうので、どんどんげっそりしていきます。
一方で胃の気持ち悪さは抜けてきていたため、お昼には妻が買ってきてくれたサンドイッチを食べられました。
体調や気持ちが数時間おきに猫の目のように変わる感じでした。ぐったりしながら、体の中に入ってきた臍帯血ののりこちゃんのことを考えました。私の体に引っ越してきたのりこちゃんが、私の骨の中の骨髄に住み着いていく様子を頭に描いていました。しっかり生着して欲しいと願っていました。
闘病生活のお供は「のりこちゃんの歌」
そうやってのりこちゃんをイメージしているときに、ふとこんなことを思いつきました。
「のりこちゃんの歌を作って、毎日歌って応援しよう!」
臍帯血ののりこちゃんが生着不全になることなく、私の体の中に無事に生着して欲しい、居心地良く住み着いて欲しいという願いを込めて、「ぞうさん」や「海」の替え歌を作りました。
この歌を毎晩寝る前や、日中でもベッドに横になっているときに、胸骨(胸骨の骨髄では造血が盛んに行なわれます)を軽く叩きながら、臍帯血に語りかけるように(恥ずかしいので声に出さずに)歌います。
これはイメージ療法の一環です。私は抗がん剤を点滴しているときに、抗がん剤ががん細胞を攻撃している様子を頭の中でイメージしていたのですが、それと同じです。
歌を口ずさみながら、私の体の中でのりこちゃんが生着して新たな血球を作り出しているところや、白血病細胞を倒しているところをイメージします。
効果があるかは分かりません。でも、できることはなんでもやらないと治らない病気なのだと、必死でした。
この歌は、急性骨髄性白血病が治ったと言える移植後3年が経過するまで、毎晩寝る前に口ずさんでいました。