靴にも気を配る必要がある。オフィスのロッカーにスニーカーを入れておくだけではなく、通勤や外出中の被災を考慮すれば、普段のビジネスシューズも歩きやすいものを選びたい。服飾ジャーナリスト・All About 靴ガイドの飯野高広氏は、「歩いても疲れない靴=軽い靴ではない」とアドバイスする。
「軽さを追求したゆえに薄くなり、長く歩くと足の裏が痛くなる靴もあります。大切なのは、重さより自分の足にフィットしているかどうかです」
自分に合った靴を選ぶポイントはいくつかある。まず立ったときに体重が靴にまっすぐのった感覚がするかどうか。また、歩いたときに靴の履きジワが横に入るものが理想。シワがななめに入るものは、自分の足の形に合っていない可能性が高い。
「国内靴メーカーは日本人の“甲高幅広”という傾向に合わせて靴をつくってきたため、足の細い人や薄い人は自分に合う靴に出合うことが困難でした。しかし、最近は日本人の足の形が変わってきて、メーカーもそれに合わせた靴づくりをするように。2万~3万円出せば、妥協することなくぴったりフィットしたものが見つかるはずです」
ソールは革とラバーの2種類があるが、どちらがよいかはケースバイケースだ。革のソールはしなやかで返りがよく、長時間歩いても疲れにくいが、雨に弱いため濡れた路面を歩くのに適さない。一方、ラバーソールは気密性が高く、障害物があったり天候悪化で歩きにくくなった路面に向いている。
「どちらにしても紐靴がいい。長時間歩くと足が張ってきますが、スリップオンは足が締めつけられて痛くなる。その点、紐靴なら微調整して緩めることが可能です」
※すべて雑誌掲載当時
(PANA=写真)