「ずっとかわらない定番商品」は作らない
また先に挙げたのはここ1年の売れ筋商品だが、ホームページで公表されているランキングを見てみると、「NEW」と書かれたものも目立つ。
実は3COINSでは、毎月700~800もの新商品を発売している。毎週月曜日に新商品を発売しており、「いつ行っても新しい商品に会えるのが、3COINSの強みの一つ」と肥後さんは話す。
驚異的な商品投入スピードの基になるのは、「4週間MD」の考え方だ。4週間MDとは、4週間という短いサイクルの中で商品をすべて売り切り、無駄な在庫を作らない・持たないとの方針を指す。
これにより、感度の高い商品企画担当者が「こんな商品が作りたい」と思ったことが、速いスピードで実現する。
売れ筋の商品はその後も店頭に並び続けるが、「定番商品であっても『ずっとまったく同じ』ものはありません。見た目が大きく変わっているわけではなくても、少しずつブラッシュアップしています」(肥後さん)
大量の新商品をつくり続けるワケ
また月700~800点もの新アイテムを投入するとなると、すぐに店頭から姿を消してしまう商品も多い。筆者自身も好んで買っていた商品がある日突然店頭から姿を消し、悲しい思いをしたことがある。
肥後さんは「狙ったわけではない」と言うが、結果的に「いま買わなければもう買えなくなってしまうかもしれない」という焦りが、購買意欲にもつながっていると言える。
なぜこれほどまでに多数のアイテムを投入するのか。肥後さんはこう語る。
「昔に比べて、一つのものが売れるサイクルがどんどん短くなっていることを痛切に感じています。さまざまな情報が絶えず発信され、消費者のニーズもめまぐるしく変わっていく中では、選ばれるために自分たちもどんどん変わっていなければいけないのです」
次に訪れる3COINSは、また違う顔を見せてくれるはずだ。(後編に続く)