「寝酒は睡眠を妨げる」は常識なのに…

【5】寝酒に頼る

日本人は世界で最も寝酒(寝る前に酒を飲むこと)に頼っている民族と言われています。眠れないときにアルコールを摂る人の割合は30%にも上るのだとか。他の国は10%程度と言われているので、割合的に高いことがおわかりいただけることでしょう。

寝酒をするとリラックスするので、確かに入眠には効果があります。一方でアルコールを摂取すると、体内でアルコールに含まれているアセトアルデヒドという物質を解毒分解しようとする作用が起こります。すると毒素分解をするのにエネルギーを使うため、体の働きが活発になり、覚醒しやすくなってしまうのです。

諸外国ではすでに「寝酒は睡眠を妨げる」というのが常識になっているのに、日本では未だに「眠れないからお酒を飲んじゃおう」がまかり通っているというのは、寝酒に対するリテラシーが低いと言わざるを得ません。

酔っ払った女の子はベッドで寝ている
写真=iStock.com/yipengge
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「自分は寝なくても大丈夫」は思い込み

【6】自称「ショートスリーパー」が多い

自分のことをショートスリーパー(睡眠が短い人)だと思い込み、「これで睡眠は足りている」と思っている人も、日本には多いです。

でも実は調べてみたら睡眠の質がよくなかったとか、明らかに睡眠時間が足りなくてかなり疲労が蓄積しているはずなのに、本人に自覚がなかったということも珍しくありません。

自称・ショートスリーパーの人には、経営者が少なくありません。仕事が大好きでやる気に満ちているので、疲労感を覚えにくくなっているのかもしれません。

睡魔に襲われて目が痙攣けいれんしていたり会議中にうとうとしたりするので、「疲れているんじゃないですか? 睡眠は足りていますか?」と尋ねても、「いや、疲れてもいませんし、寝てなんてもいません。自分は睡眠時間が短くても大丈夫なんです!」と言い張ります。

アメリカで大成功した実業家であるイーロン・マスク氏も長い間、自分のことをショートスリーパーだと思い込んでいたそうです。