「だらだら前置き症候群」の背景にある家庭環境

なぜこんなふうになってしまうのでしょう?

こういった状態になってしまうのを私は、「だらだら前置き症候群」と名付けました。

「だらだら前置き症候群」の原因の多くは、幼少期にあります。

私の心理療法養成講座の受講生の方が、教えてくれました。

「私は前置きが長いと言われます。

『要するに何なんだ? ポイントを話せ』と夫によく言われるんです。

その理由ですが、この講座では自分の過去を見つめる機会が多いので気づいたことがあります。うちの母は説教がとても長かったんです。

ちょっとした言い間違いをしたり、何か省いて話すと誤解されてよけい怒られる。

そんなことがひんぱんにありました。

ですからとにかく、何か報告をするときには、揚げ足を取られないように、ミスをしないようにと、ビクビクしながら念入りに話をするのが習慣になってしまったのかもと思います。40年前のことですが、今も影響しているんだなあと今、気づきました」

しっかり説明をしないと、親や兄や姉から怒られてしまう環境だった。

そんな環境で過ごした方は、話が長くなるのも当然ですね。

自分の不安はどんな体験からきているかを紙に書き出す

特に親が、過干渉で不安気質の高い場合、子どもも不安気質が高くなります。「ミスしないように、間違わないように、そして怒られないように」と、ていねいすぎるほどに話が長くなってしまうのです。

そういった人は、ミスは少ないのでしっかりしていると周りから評価されます。そのイメージを守ろうとして、ますますミスを怖れるようになったりもします。

自分の不安はどんな体験からきているのか?

特に幼少期での親との関係を見ていくのをおすすめします。

セルフカウンセリングするとしたら、「自分を止めているものはなんだろう?」と質問をしてみましょう。

出てくる言葉をどんどん紙に書き出していくことで、気づきが得られるかもしれません。

ノートに何かを書き込む女性
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

ただし、自分でなかなか見ることが難しい方がほとんどですから、このあたりの深い部分は、心理カウンセラーに引き出してもらうのがおすすめです。