深刻な米国の薬物乱用リスク

最後に、参考資料として、喫煙、肥満、薬物乱用という外的な個別3リスクについて死亡数・死亡率のデータをOECD30カ国について示した(図表4参照)。図ではそれぞれのリスクについて、死亡率の高い順に国を並べた。

【図表】外的なリスク要因による死亡リスクのOECD諸国比較
筆者作成

途上国については、リスク評価のもととなるデータが不足していて評価精度が低いと考えられる点、また途上国では乳幼児死亡率が高く、それにともなって先進国とは異なるバックグラウンドのリスク評価となる点などから比較対象から除外している。

喫煙に関しては、リスクの高いトップ3はデンマーク、ギリシャ、韓国であり、日本は22位と低いほうである。主要先進国であるG7諸国の中では英国、カナダが高く、日本、イタリア、フランスが低いほうであり、ドイツ、米国はその中間である。

肥満リスクのトップ3は、トルコ、メキシコ、米国であり、日本は30カ国中最下位である。隣国韓国は下から2番目である。G7諸国の中で米国がトップでイタリア、ドイツがこれに次ぎ、英国、フランスは比較的低く、日本は一番低い。

薬物乱用のリスクについては米国では11万人以上が死亡しており、死亡率3.2%とともにOECD諸国中、断然トップである点が目立っている。日本は死亡率20位と比較的低い。

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