どの程度まではっきり言うべきか評価してもらう
自分で自分の行動を評価してもよいし、他の人々にフィードバックを頼んでもよい。「私は自分が何を望んでいるかを進んで人に話しているか」と自分に問いかけてみることを、ザンダーは勧める。ほとんどの人はこの問いになんらかの留保をつけて答えるが、それは不安を乗り越えてもっと頻繁に自分の意見を表明する必要があることを示している。
エイムズは、自分のスタイルが有効かどうかを知るために「成功目録」をつくってみようと勧めている。一定期間、例えば2~3週間、もしくは1カ月にわたって、議論やミーティングの前には必ず「自分はこの状況から何を得たいのか」と自問し、後で結果を評価するのである。
「自分は望んでいたものを手に入れたか」と。これによって自分の成功の実績記録がつくられ、自分のスタイルを変える必要があるかどうかを判断する助けになる。
自分の行動を客観的に評価するのはきわめて難しいことがある。「自分の思っている自分の行動と他人が目にしているものとのつながりはとても弱く、たいてい偶然程度のつながりしかない」と、エイムズは言う。したがって、信頼できる同僚からフィードバックをもらったり、360度評価を受けたりすることが有効かもしれない。
自分の行動を評価して、しり込みしてはならない状況でしり込みしていることがわかった場合には、自分は何を言っていないのか、なぜそれを言わないのかを考えよう。そして、次に同じような状況になるときは、何をどのように言うかを事前に練習しよう。エイムズもザンダーも、期限を定めた具体的な行動目標を自分に課すことを勧める。例えば、1週間以内に同僚と3つの厄介な話し合いを始めるという目標だ。あるいは、これから2週間は、グループ・ディスカッションに参加するときは必ず最初の2分以内に発言するという目標でもよい。「焦点を絞った漸進的な変化が最終的には本物の変化になる」と、エイムズは言う。その目標を達成したら、別の目標を設定して、それをやり続けよう。それがうまくいかなくても、自分を責めてはならない。別の目標にトライすればよいのである。「遊び心を持って取り組もう」と、彼はアドバイスする。
人がしり込みするのは概して不安を感じているためであり、不安になるのは周囲の人々を知らないためか、他人にどう思われるかを気にしすぎているためだ。「控えめで内気な人たちと接してきた経験から言うと、周囲の人々との人間関係は彼らにとってとても重要だ」と、エイムズは言う。したがって、職場の外で同僚との人間関係を深めることが有効なことがある。「表面的な知り合いにすぎない同僚と付き合いを深めよう。垣根を取り払えるような場で同僚と交流しよう」と、エイムズは勧める。人間関係の面で安心していられれば、もっと気楽に発言できるかもしれない。