選定

デザイン案選定のミーティングの席で、依頼元企業の担当者と制作チームが意見を述べ合う際の自由度も増した。AIがつくったデザイン案であれば、「この案は変だ」と指摘しても誰も傷つかず、気をつかって言葉を選ぶ必要もない。

文字で入力された指示からAIが「叩き台」となる多様なデザインを生成(上2段)。それを参考に、人間のデザイナーがより現実的なデザイン案を作っていく。
文字で入力された指示からAIが「叩き台」となる多様なデザインを生成(上2段)。それを参考に、人間のデザイナーがより現実的なデザイン案を作っていく。(画像=プレスリリースより)

AIを使うことで人の創造的なコミュニケーションの活性化が起こる。プラグでは、生成AIをデザイン案の制作に使うことで、選定の際の意見をより率直に述べ合うことができるようになったと感じているという。

自社が蓄積したデータでAIを「調教」

パッケージ・デザインの評価と生成へのAIの活用において、現在のところ国内においてプラグの強力な競合は現れていない。デザインや市場調査を手がける大手企業がいくつもあるなかで、なぜ小さなプラグが、頭ひとつ抜けだすことができているのだろうか。

その理由のひとつは、評価の局面でも、生成の局面でも、人をしのぐ効果や効率をAIによって生み出すためには、時間をかけて人がAIを「調教」する必要があることである。そのため、他企業は可能性を理解しても、すぐにはキャッチアップできない。

パッケージ・デザインの評価AIを例にとれば、アナログの市場調査でつかんだ「パッケージの画像→人による評価」のデータを、ひたすらAIに学ばせながらチューニングしていく必要がある。この作業を繰り返すことでAIによる評価の精度が上がっていくのだが、それには時間と手間がかかる。この調教活動を、プラグは一足早く始めていた。