ルイ・ヴィトンの店舗を判断材料にする投資家
ルイ・ヴィトンのような、外資系ラグジュアリーブランドでは、直営店かテナント店契約かに関わらず、しがらみや先入観なく、国内外の富裕層やインバウンド動向などを踏まえ、単純にビジネスとして採算がとれるのか、成長性はあるのか、ブランドイメージの向上に貢献するのか、といった合理的な観点から立地や投資先が選ばれている。
このため、ルイ・ヴィトンの店舗がどの都市のどの立地にあるのか、また店舗の新規開業や撤退を追うことで、例えば、海外の富裕層や投資家などは、日本での当該都市での不動産投資や事業投資における可否判断材料としていたりする。
勝ち組都市・負け組都市を見分けるヒントに
人口減少と少子高齢化が続く日本では、この先も過疎化が続くなか、各都市が、子育てや教育、移住支援など特徴を打ち出しながら、都市間競争を活発化しているが、全ての都市が生き残り成長するのは不可能である。
現実に、東京一極集中は続き、大阪、名古屋に加え、「札仙広福」と呼ばれる都市圏の求心力も高まっており、地方都市のなかでも格差は急速に広がってきている。
こうした動きを先取りし呼応するように、冒頭紹介したように、2015年以降、高知、熊本、旭川、大分、神戸、郡山、浜松、柏。水戸(予定)でルイ・ヴィトンの店舗が閉店している。
都市の経済規模や成長性だけでなく、個別の賃貸借契約内容や、再開発計画なども関係してくると思うが、この先、例えば、新潟、宇都宮、さいたま、千葉、静岡、金沢、奈良、和歌山、岡山、高松、松山、北九州、鹿児島といった都市にあるルイ・ヴィトンの店舗も閉店候補となる可能性があるのかもしれない。
前述した国土交通省が発表した基準地価(2024年7月1日現在)によると、商業地の変動率において、全国平均が2.4%と増加するなか、新潟県、栃木県、和歌山県、香川県、愛媛県、鹿児島県は前年比マイナスとなっている。
ルイ・ヴィトンの店舗がどこにあるのか、増えているのか減っているのかを観察することで、この先の勝ち組都市、負け組都市を見分けることができるのではないだろうか。