東京・大阪などの勝ち組都市では増えている

地方の店舗は次々と閉店する一方、東京や大阪や札幌ではルイ・ヴィトンの店舗は増え続けている。

2024年11月には「ルイ・ヴィトン 伊勢丹新宿店 4F」がオープン予定だ。同店は、同年3月にオープンした「ルイ・ヴィトン 伊勢丹新宿メンズ店 2F」に続き伊勢丹新宿店では2店舗目、新宿エリアだけでなんと4店舗体制となる。

参考までに、伊勢丹新宿本店の2023年度の売上高は前年比14.7%増加で過去最高の3758億円となり、日本一かつ世界最大級の売上を誇る百貨店である。

その他、2021年11月には、「ルイ・ヴィトン 阪急梅田店 ウォッチ & ファインジュエリー」、2023年11月には、「ルイ・ヴィトン 大丸札幌店」がオープンしている。

また、2022年11月の「ルイ・ヴィトン 羽田空港店」、2023年7月の「ルイ・ヴィトン 成田空港店」に続き、2023年12月には、国内のルイ・ヴィトン空港内免税店として3店舗目となる「ルイ・ヴィトン 関西国際空港店」をオープンしており、インバウンドや国内外の富裕層をターゲットにした店舗展開をより明確化してきているといえよう。

2023年12月にオープンした「ルイ・ヴィトン 関西国際空港店」
写真=LOUIS VUITTON/Daici Ano
2023年12月にオープンした「ルイ・ヴィトン 関西国際空港店」(ルイ・ヴィトン ジャパンプレスリリースより)

ついにニセコにも期間限定店舗が登場

日本を代表する世界的なスキーリゾートとして君臨する北海道ニセコにも、ルイ・ヴィトンが、2023年12月に期間限定の店舗「ニセコ ウィンター リゾート ポップアップストア」をオープンして話題となった。

ルイ・ヴィトンの本店はフランスのパリにあるが、世界中の最高級スキーリゾートにも店舗を展開しており、フランスのクーシュベル1850、スイスのサンモリッツ、グシュタード、クラン・モンタナ、米国のアスペンといった最高級スキーリゾートにも店舗がある。

世界の富裕層の需要に応える形で、こうした世界最高級のスキー場には、5つ星ホテルやミシュラン店が集まり、ルイ・ヴィトンのような高級ブランド店が軒を連ねることで、さらに富裕層を惹きつける好循環が生まれている。

「ルイ・ヴィトンの店舗がニセコに出来るとき、名実ともにニセコは、世界最高級のスキーリゾートとして認知されるといえるのかもしれない」(高橋克英『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか 「地方創生」「観光立国」の無残な結末』講談社+α新書)と指摘してきたが、まさに現実化しているのだ。