購入時に見るべきポイントは「酸素透過率」

では、1dayをつけるのが良いとして、どういうコンタクトレンズを選べばいいのでしょうか? 商品を見ると、パッケージには「目に優しい」とか「うるおい」などと書いてあります。また、含水率●●%という表示もあります。

目に優しい、うるおいと書いてあるのがよいのでしょうか? それとも含水率が高いほうがいいのでしょうか?

コンタクトレンズ
写真=iStock.com/jjpoole
※写真はイメージです

まず、「目に優しい」とか「うるおい」という表記は、あくまで同じコンタクトレンズメーカーの他の商品と比較してどうだったか、ということを表しているに過ぎないことに注意しなければなりません。

それより注目すべきは、「Dk/L値」というものになります。これは酸素透過率さんそとうかりつと言います。

先にも述べましたが、コンタクトレンズというのは目にとって異物です。本来目は丸裸なので、コンタクトレンズをつけても酸素がきちんと目にいきわたるようになっているかが重要です。

そこで、どのぐらい酸素を目に供給しやすい状態にあるのかを表すのがDk/L値です。この数値が高いほうが目にとっては良いコンタクトレンズと言えますので、参考にしてください。

一般的な「HEMA素材」のコンタクトレンズは価格が安い分、Dk/L値は低くなりやすいです。一方で「シリコンハイドルゲル素材」であれば、Dk/L値は高くなりやすいです。コンタクトレンズは素材がその性能を大きく左右しています。

「たくさん水を含んでいる=うるおう」は間違いなワケ

また目の乾きを防ぎたいとの理由で「含水率は高いほうがいい」と思っている人も要注意です。

「水を含んでいるのでその方が乾きにくい」と思われがちですが、実際は逆です。含水率は低い方が、目が乾きにくいのです。これはなぜでしょうか?

含水率というのはコンタクトレンズ自体が水を含む能力です。水をたくさん吸えるスポンジをイメージしてください。つまり含水率が高いとコンタクトが乾いた際に目から水分を取っていってしまうので、むしろ目は乾きやすくなるのです。

ここが勘違いしがちな点です。なので、もし目の潤いを重視したいなら“含水率が低いもの”を選んだほうがいいでしょう。

稀ですが、コンタクトレンズを販売する店員側もわかっていないケースがあります。「目に優しい」とか「潤いがある」などと言われても、営業トークの可能性もあります。本当にそうなのか、これらの知識をもとに確かめることが大事です。

また、コンタクトレンズにはご紹介した「Dk/L値」や「含水率」以外にも、「BC(ベースカーブ)」・「屈折度数」など多くの数値があります。よくこの屈折度数さえあっていればいいと同じ度数のコンタクトレンズをネットで探して使う人がいますが、これはオススメできません。

仮に度数が一緒だとしても、その他の数値まで全く同じ、自分に合っているとは限らないのです。そのため、コンタクトレンズを使用する際には、必ず眼科で自分の目に合っているかどうかの確認が必要です。

再三申し上げますが、コンタクトレンズは目にとっては異物です。適切な使用をしなければ、失明などの大きなトラブルにつながります。眼科医の処方なしに買うこともできますが、目の健康を損なうリスクが大きく伴うことは認識してください。

「1dayだけどちょっとくらい使い続けても大丈夫」「目がゴロゴロしているけど問題ないだろう」という発想は危険です。少しでも異変を感じたら眼科へ受診してください。

(出典)
*1 日本眼科学会「コンタクトレンズ障害

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