“Please”をつけない乗客にCAが返す嫌味

北米では、その点をシビアにとらえている人も結構多く、ただ“オレンジュース”とだけ言われたら、フライトアテンダントが“プリーズ?(プリーズは?)”と言ったり、サービスを受けてお客様が“サンキュー”と言っていないのに、“Your welcome”とわざと言ったりすることがあります。これ、ホンマにただの嫌味なんですけど、これまで何度かそういう状況を機内で目の当たりにしたことがあります(日本のエアラインだと考えられない状況ですよね)。ただ面白いのは、北米だと、そのように言われたお客様もそれに対して「おい、何言ってんだ!」と怒るのではなく、慌てて、“Oh,sorry. Thank you”と返す方もいらっしゃることです。

日本と違って、察したり、空気を読んだりする文化ではないので、きちんと言葉にしないと伝わりません。ですから、もし外資系の航空会社を利用される予定のある方で、外国人クルーと英語でコミュニケーションを取りたいなと思われる場合には、とても簡単な一言ですし、つけたら全然(伝わり方が)違いますので、あえて意識して使ってみられるのもおすすめです。

ただ私たちにとって英語は第二言語なので、やはりそこまで細かいことは気にせずに、とにかく笑顔で相手に伝えることが一番大切だなと強く思います。

英語の上達のために一番大切なのは単語とイディオム

英語が話せることは、世界中の人とコミュニケーションをとる上では、とても重要な要素だと思います。グローバル社会の現代では、英語が話せることはむしろ特別なことではなく、当たり前という流れもあるかもしれません。

カナダで生活し、外資の航空会社でフライトアテンダントとして働くためには、英語が不可欠です。とはいえ、私はもともと英語学習が好きだったわけでも、頑張ったわけでもありません。必要に迫られて習得しなければならなかったわけですが、そのなかで、個人的に上達するためのポイントがいくつかありましたので、この場でシェアさせていただければと思います。

英語の上達のためには、単語とイディオムが一番大切だと思います。文法どうこうではなく、単語とイディオムの知識量が豊富で、それらをきちんと聞き取ることさえできれば、文脈はなんとなく想像がつくものです(そう信じたいです)。そうなれば話の本筋がそこまで大きくずれることはありませんし、まったくの見当違いをすることも少ないかと思います。私もまずは、単語とイディオムを徹底的にたたき込み、語彙ごい力を身につけました。

文法について学ぼうとすると、時間がどれだけあっても足りないという印象があります。

語彙力も、伸ばそうと思えばキリがないのですが、ある程度習得できると、相手の言っていることを理解できるようになりました。