夏休み明けに成績が伸びる人、落ちる人の違いはどこにあるのか。東大生作家の西岡壱誠さんは「夏休みの期間中に『勉強するハードル』が高くなってしまった人は、成績が落ちやすい。東大生に話を聞くと、小学生のころから勉強を習慣にしている人が多い。成績を伸ばすには習慣化が鍵を握っている」という――。
小学生のころに身につけた学習習慣が武器になる
毎日ダラダラのんびりと過ごすお子さんの姿にイライラが止まらない保護者の方も多いのではないでしょうか。塾に行かないと勉強しない、家に立派な学習机があるのに、なぜかいつもテレビがあるリビングにいる……などのお悩みを抱えている方もいらっしゃるようです。
夏休みは家庭での学習習慣をつけるいい機会。勉強する習慣をつけたお子さんは夏休み後の学習にもさほど抵抗なく進めていけます。一方で、毎日マイペースに過ごしたお子さんは、勉強すること自体のハードルが上がってしまうこともあります。
東大生にアンケートを取った結果、約48%が「小学生のときに勉強習慣が身についた」と回答していました。小学生の頃は、まだ学校の宿題が少なく、勉強に費やす時間があるといえます。中学生になると、部活や友達付き合いで忙しくなります。
そうなる前に、子どもが勉強を自分からやるような習慣をつくっておかないと、リズムが崩れ、勉強に取り組むハードルが上がってしまう傾向があります。だからこそ、中学校に上がる前のタイミングで、子どもが自分から勉強する習慣をつけて、「勉強しないと気持ち悪い」状態まで持っていく必要があるわけです。
東大生の話を聞いてみると、「小学校入学前から、親が一緒に勉強をして褒める」ことで、勉強へのハードルを下げていたような家庭も多数ありました。
「勉強をしなさい」と言われたことはなくても「勉強しなくていいの?」と聞かれたことはある、というのも東大生の間でよく聞かれる話です。親が強制するのではなく、あくまで子どもが自主的に「勉強しないとな」と思えるように促しているのです。