「注意力が高い人」は聞くインプットに秀でている

やはり、インプットの基礎の「き」になるのは、言語能力であることは否定し難い事実です。

言語能力が高い人は「読む」も「聞く」もインプットの効率が良くなりがちなのです。

しかしその一方で、「読む」と「聞く」とでは、脳の違う部分が使われているのも事実です。そのため、「読む」と「聞く」とで人によって得手・不得手が出うるのです。

例えば、注意力が高い人は「聞くインプット」に秀でているということがわかっています(※2)。「読むインプット」と違い、音はすぐに消えてしまうので、注意深く聞いておく必要性があるからだと推測されています。

「読む」は「聞く」の2倍速い

それでは、言語能力の高い人は、「読む」と「聞く」のどちらのインプットでも良く、やりやすいほうがあれば、そのインプットの方法を選べばいいということでしょうか?

残念ながら必ずしもそうとは言えません。

インプットでもう1つ鍵となるものがあります。それは、スピードです。

これまでの研究で、平均的な「読むインプット」の速さは、「聞くインプット」の速さよりも2倍速いことが明らかになってきています。(※3)

これは通常、私たちが話す速さが、読む速さに比べて著しく制限されているからです。

例えば、本を通常の速さで1ページ朗読する間に、黙読であれば2ページ読み進めることが可能だということになります。

本を読む女性
写真=iStock.com/patpitchaya
「読む」は「聞く」の2倍速い(※写真はイメージです)

いかに「読むインプット」がスピードの点で優っているのかがわかります。

それだけに、「読むインプット」をマスターすることが、効果的なインプットにおいてはとても重要なのです。