「倍速視聴」は何倍までOKなのか?

しかし、だからといって「聞くインプット」が「読むインプット」より、必ず遅くなってしまうわけではありません。特に今は、スマートフォンやコンピューターで早送りして「聞く」スピードを調整することができるからです。

では、インプットの質を下げずに音声をスピードアップする場合、通常どれくらいまでスピードを上げてもいいのか?

黙読で2ページ読める脳のキャパシティがあるのに、聞いているときはその半分しか進まないのだとすれば、言語の理解力のキャパシティは残っているはず。

例えば、2倍速までは理解度を落とさずに速聴できるのではないか?

この問いは、長きにわたり研究されてきました。(※4)

青い金属製の疑問符
写真=iStock.com/MicroStockHub
「倍速視聴」は何倍までOKなのか?(※写真はイメージです)

およそ1.8倍速ぐらいが限界

インプットする内容の難易度や個人差にもよりますが、これまでの研究を総合してみると、およそ1.8倍速ぐらいまでが限界ではないかというところです。

特に勉強などで、新しい内容をインプットするような場合には、1.5倍速ほどでも理解度が下がってしまいます。(※5)

その一方で、1.4倍速ほどまでであれば、理解度を下げることなく聞くことができ、さらに、通常の速さで聞くよりも心地良く聞くことができるようです。(※6)

理解が進んでいるのに通常の速さだと、その遅さにストレスがかかってしまうこともあり、適度な速さにすることで、そうしたストレスも避けることができます。

デジタル環境で理解度を下げずに「聞くインプット」をするためには、1.5倍以上の速度は避けるようにしたほうが賢明です。