「根性論を持ち込む上司」への最強の対処法

第2位は『職場を腐らせる人たち』でした。精神科医として7000人以上を診察してきた片田珠美さんが、「職場を腐らせる人」の事例を15種類紹介するとともに、「職場を腐らせる人」の被害を避ける方法を教えてくれる一冊です。

片田珠美『職場を腐らせる人たち』(講談社)
片田珠美『職場を腐らせる人たち』(講談社)

「職場を腐らせる人」の一例として挙げられているのは「根性論を持ち込む上司」。かつて自身が気合いと根性で営業成績をあげた話を繰り返し、現実離れした目標を達成しようとするような人物です。

著者によると、このタイプの人の多くは「みんながやる気を出せば、すべてがうまくいく」と考えがちです。その思考回路の根底では「すべてがうまくいけばいいのに」という願望と「すべてがうまくいく」という現実が混同されてしまっています。このタイプの人には、具体的な数字や根拠とともに「業界全体を見ても、こうなっている」「数字が落ちているのは長期的な傾向」などと示し、現実を直視させるのがおすすめだといいます。

これ以外にも、過大なノルマを部下に押しつける上司、言われたことしかしない若手社員、あれこれケチをつける人、いつも相手を見下す人など、「あるある」な「職場を腐らせる人」がたくさん登場する本書。大切な職場を腐らせないようにするために、特にマネジメント層は必ず読んでおきたい一冊です。

「動じない心」があればやるべきことに集中できる

第3位には『人にも自分にも振り回されない動じない心のつくり方』がランクインしました。何か嫌なことや引っかかることがあると、すぐに動揺したり焦ったりしてしまい、何もかもがうまくいかなくなる……そんな人にぜひ読んでほしい一冊です。

藤本梨恵子『人にも自分にも振り回されない動じない心のつくり方』(明日香出版社)
枡野俊明『人にも自分にも振り回されない動じない心のつくり方』(SBクリエイティブ)

曹洞宗徳雄山建功寺の住職である著者・枡野俊明氏は、本書で「動じない心」を持つことの大切さを説きます。その理由は、動じない心を持っていれば、何があっても、今やるべきことにフォーカスできるからです。そしてその前提のもと、仕事や人間関係、将来の不安など、多くの人が抱えがちな悩みにQ&A形式で答えてくれています。

そのうちの一つが「一人でいることが寂しい」という悩み。この悩みに対して著者は、孤独な時間は、自分と向き合うために必要不可欠なものであるとしています。

孤独に向き合う方法として提案されているのは、スマホの電源を切って公園に行き、自然を眺めること。休日のたった30分でも公園で過ごせば、自然のあり方から多くを学び、心が洗われるでしょう。

このほかにも、あなたの心をスーッと軽くしてくれる回答が満載の本書。疲れてしまったとき、ぜひ手に取ってみてください。