言葉が変われば、思考や感情が変わる

私たちの世界が言葉によってつくられることを、アメリカの臨床心理学者アルバート・エリスは、「ABC理論」を用いて説明しています。

「ABC」とはそれぞれ、出来事(Activating events)、信念(Belief)、結果(Consequences)の略でくわしくは次のとおりです。

・A 出来事(Activating events):なにかしらの刺激や出来事が発生
・B 信念(Belief):その刺激や出来事に対する個人の信念や評価
・C 結果(Consequences):その信念や評価に基づいて生じる特定の感情や行動

この理論では、起きた出来事(A)が同じでも、とらえ方(B)によって、結果(C)が変わってくると述べています。

物事をとらえる(B)のは、自分自身の「言葉」です。

ですから、同じ出来事でも、自分が言葉でどうとらえるかによって、受け取る現実(結果)は変わります。

つまり、人は言葉によって自分自身の世界をつくっているといえるのです。

降ってくる紙をつかもうとする人たち
写真=iStock.com/TommasoT
※写真はイメージです

謙遜してばかりの言葉を使い続けるとどうなるか

では、「私なんて」「どうせ私は……」が口癖になっていたら、どんな世界をつくると思いますか? ちょっと想像してみてください。

それは、とても生きづらい世界ではないでしょうか。

でも、言葉が世界をつくっているのですから、当然、言葉を変えれば世界は変わります。今、生きづらかったとしたら、言葉を使って生きづらい世界から抜け出せばいいのです。

一生涯を貧しい人たちのために尽くしたマザー・テレサは、次の名言で、言葉を変えると、運命が変わっていくと教えています。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから

自分が毎日使っている言葉をよい言葉に変えれば、行動パターンやふるまい、考え方、性格が変わり、結果的に、運命まで変わる。

つまり、未来が変わるのです。とても勇気が出る言葉ですね。

具体的にどんな言葉に変えればいいかは、これからしっかりお話ししていくので楽しみにしていてください。