アパートで相続したほうが相続税の負担を減らせる

「相続税対策をしませんか?」――田舎にそれなりの土地を持っている人なら、そんな営業をかけられたことが一度や二度、あるかと思います。

たしかに、アパートを建てるのは合理的な節税策となります。現金で相続するよりも、アパートで相続したほうが相続税の負担を大きく減らせるからです。

マンションの模型を持つビジネスマン
写真=iStock.com/RRice1981
アパートで相続したほうが相続税の負担を減らせる(※写真はイメージです)

同じ不動産でも、賃貸に出しているほうが評価額が低くなることも、節税効果につながります。

「できれば相続税を節税したい……」と考える人が多いと思いますが、実はここに大きな落とし穴があります。

それは、相続「税」対策は相続対策の一要素でしかないことです。

「相続対策」と「相続税対策」を混同してはならない

相続対策と相続「税」対策を混同している人は、非常によく散見されます。

相続対策は、遺産をいかに未来へと橋渡ししていくかを考えることで、これに対して相続「税」対策は、いかに税金を減らすかということです。みなさんには、両者の違いをしっかり理解していただきたいと思います。

そもそも相続には、次の3つの要素があります。

1 相続税対策
2 納税資金対策
3 争族対策

この3本柱を総合的に考えるのが相続対策です。