幸せを感じるために、覚えておきたいのは「引き寄せの法則」です。心理学的には「安心領域」と言われるもので、人は自分と同じタイプの人と集まりたがる傾向があるそうです。
同じタイプが集まること自体は悪いことではないです。そこで交わされる会話が重要です。売れない営業マン同士の会話は、「景気が悪いから」「こんなノルマはムリだ」。モテない男性の集団が居酒屋に行ったら、「女ってわかってないよなー!」という愚痴の大会になっていく。自分が不幸だと思いながらその手の集まりに参加しても、気分はなかなか切り替わりません。
幸せになるには、日常の会話を変えてみることです。例えば営業マンだったら「みんな売れていないから、今月は1人だけに売り上げを集めて勝たせようか?」というような前向きな会話をすると気分が変わるし、ひいては環境も変えられます。
こうした言葉は自分から発するだけでなく、他人からかけられても嬉しいものです。できれば、一緒にいると元気になれる人を見つけて、自分が落ち込んだとき、「おまえはそれでいいんだ」「心配するな」など、言ってほしいことを前もってお願いしておくのも有効な手段です。何を言われるのかが事前にわかっていても、気持ちいいものです。幸せな気分になるのは、そういう小さなメンテナンスを日頃から積み重ねていくしかありません。
NPO法人笑いと幸せ研究所 理事
大谷由里子
大学卒業後、吉本興業に入社し、故・横山やすしのマネジャーなどを務める。現在は、志縁塾の代表取締役として年間300を超える講演・研修をプロデュースする。
大谷由里子
大学卒業後、吉本興業に入社し、故・横山やすしのマネジャーなどを務める。現在は、志縁塾の代表取締役として年間300を超える講演・研修をプロデュースする。
(構成=鈴木 工 撮影=上飯坂 真)