今後の株価のゆくえは

今後ですが、一時的な狼狽売りはもう落ち着いてきました。ただ、株価は上下し続けるもの。近いうちにまたガツンと下がる可能性はもちろんあります。中東情勢は相変わらず不安定ですし、間もなく自民党の総裁選やアメリカの大統領選もある。不安定要素は相変わらず残っているので、ここから順調に右肩上がりが続くことはまずないでしょう。

では、次の暴落でパニックにならないためにはどうしたらいいのか。投資初心者の方は、まず株価は上下するものだということをしっかり念頭に置いて、その上で「こういう出来事があったらこうなる」というシナリオをいくつか想定しておくといいんじゃないかなと思います。

最悪の場合、デフレ経済に舞い戻る

国内の出来事としては、日銀の追加利上げと為替レートの2つに注意を払っておいてください。前者は日本経済にとって確実にマイナスですし、最悪の場合はデフレ経済に舞い戻る、つまり「失われた30年」がさらに延長されることになりかねません。一方、後者は1ドル145円を下回る円高になってきたら要注意。企業が業績を下方修正するリスクが高まります。

見出しに踊る「日銀」の文字
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国外の出来事では、中東情勢とアメリカ大統領選を意識しておいてほしいですね。中東で戦火が拡大すれば原油が急に高騰するかもしれず、トランプ氏とハリス氏のどちらが大統領になるかでアメリカの経済政策は大きく変わります。どちらも世界経済や株価に大きな影響を与えるのは間違いありません。

どの出来事も、株価が大きく動く原因になります。もちろん、こうしたことがあったからといってつみたて投資のスタンスを変える必要はまったくありません。「じゃあ関係ないじゃん」と言われれば、確かにその通りです。

それでも、最悪のシナリオを頭に入れておけば心構えができて、暴落したときもある程度は冷静でいられるはず。少なくとも、不意打ちをくらって狼狽売りに走るなんてことは避けられるのではと思います。